幼い頃から植物が好きだったという人は本当にすごいと思う。進んでいるなあ、というか。「楽しい」「美しい」ということを幼いながらに気付ける感性がすばらしい。
私は全くだった。花を摘んで家に飾ろうとか、この葉っぱがなんて名前なんだろうとか思ったことがない。好きとか嫌いもない、無関心だね。
おばあちゃんがお庭で一生懸命に手入れして、「この花は春に咲く」とか、「裏の山から引っこ抜いてきた」と教えてくれても、私にとってはただの「花と葉っぱ」で、春に咲くことや山に自生しているという情報は通り抜けていた。
それが今となっては、だよ。植物が愛おしくてたまらない。私にとってはただの「花と葉っぱ」であることは変わりなくて、自分が今何を育てているのかよくわからない体たらくだけど、好きで、関心がある。
それは、鉢植えを小一時間は眺めていられるほど。他に何をするわけでもなく、小さな双葉が風で揺れるだけで楽しいの。カーペットにコロコロをかけるなり、今朝の食器を洗うなり、他にやることはいっぱいあるのに。
でもそのおかげで、夕方になると家の前の電線にコウモリが必ず訪れることを最近知ったわ。向かいのお宅にイヤイヤ期のお子さんがいるってこともね。
案外、このベランダ時間が非生産的ってわけでもないのよ。