植物との距離感というのは非常に難しいね。過干渉がいけないことは水を与えすぎて枯らしてしまった経験から学んだけれど、どうしても触れたくなってしまう。
だって、愛おしくてたまらないんだもん。日々、それぞれのコンディションにあわせて水を与えたり、日の当たる場所へ動かしたり、トラブルが起きたらその都度調べて対処しているから、どうしたってわが子のように感じるの。
その子たちがある日、元気いっぱいに芽を出してごらんなさい。かわいくって仕方ないでしょう。「えらいね〜!」と声をかけながら、めいっぱいになでまわして、抱きしめたくなるでしょう。
だから今日も、再生栽培中のたまねぎの芽が出たことに喜んで、つい触ってしまったの。「芽〜!」と褒めながら。そしたらポキッといっちゃった。指先のほんのわずかな力で。
本当は強く抱きしめてやりたいくらいなのに、触れることさえできないなんて。そのジレンマと行きすぎる愛情でわが子を傷つけてしまった悲劇がつらい。
首の皮一枚繋がった状態の玉ねぎの芽とその仲間たちにはどうか、土、水、太陽の足元にも及ばない愚かな母のもとで、今以上にたくましく芽を伸ばし、花を開いていってほしい。多分たまに触るし、他にもいろいろやらかしそうだから。