こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

エアコンの最終回

正午過ぎに突然、わが家のエアコンが止まった。電源を入れ直しても3分とたたないうちに運転ランプが点滅して止まってしまう状態で、付けたり消したり洗ったりを繰り返しても直らない。群馬県で今年最高の気温を記録した猛暑日に1台しかないエアコンが止まる=「死」だ。

室温はすぐに30度を超えて、汗か涙かわからない汁が体から大量に吹き出した。ネットで対処法を検索しても、暑さで頭が回らず内容をいまいち理解できない。しかも仕事中で、やることがたくさんある。このままエアコンが直らなかったら……と考えるだけでも十分死ねそうだった。

それでも粘って、ようやく「室外機に問題がある可能性」に気付いた。早速、室内とたいして変わらない暑さのベランダに出て室外機をのぞいてみるけれど、素人目には四角い機械ということと、とにかく暑いということしかわからない。

私は思い切って室外機を蹴っ飛ばした。暑さでどうかしてしまったわけではない。「機械は叩くと直る」という古くからの言い伝えに従ったのだ。そして、フラフラと部屋に戻り、再び電源を入れると、エアコンは唸りを上げて洗浄液の香りがする冷風を吐き出した。

3分……10分……30分とたっても、エアコンは止まらない。なんと、蹴っ飛ばしたら本当に直ったようだ。すごいぞ物理! 涼しいはすばらしい! 最高だ! と冷風と肩を組んで喜びあった約2時間後、エアコンは「ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ」と点滅して再び止まった。

私は意外と冷静だった。「そうなる」予感があった。最後の望みとして取っておいた「エアコンと室外機の型番を検索する」を試すことにした。アパートに備え付けられた古い機械の型番を検索したところで何も出てこないだろう。検索結果に絶望してショック死する危険もある。だけど、もうこれしかない。

1ページ目で3つも全く同じ症状で困っている人の質問を発見した。しかも、どの質問にもしっかりとした回答が付いている。私の生存確率が一気に高まった。みんな、エアコンの調子が悪くなったらまずはネットで型番を検索しよう。

さて、最も有力そうな回答に「室外機の過熱防止センサーが働いたから冷やす必要がある」「応急処置として、水をためたバケツでバスタオルの一端を浸し、室外機の上にのせる」とあった。私は水をためたバケツとバスタオルを抱えてベランダに飛び出した。

それから日が暮れて、夜ごはんを食べて、お風呂に入り、テレビを見て、コーラを飲んで、お布団に入って、日記を書いている今までエアコンは止まっていない。私と同居人は熱中症で倒れることなく、生きている。

いつも、のび太ドラえもんに泣きつく時のように「なんとかしてよ、エアコ〜ン!」と泣きついて猛暑を解決していたけれど、最終回は突然訪れるかもしれないから、新しいエアコンを買おうと思った、という1日。

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