こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

乾杯

今日は予定通りホームセンターへ行き、突っ張り棒を購入。ついでにスーパーも寄ったけど、野菜が高いからキノコ類とおつとめ品ばかりを買って帰った。

これじゃあ何も作れないし、フードコートでソフトクリームを食べたらお腹が落ち着いてしまったし、駐車場を少し歩いただけでもバテるくらい暑かったから、料理はお休み。夜ごはんは近所のお好み焼き屋さんで済ませることにした。

豚・チーズ、エビ・イカお好み焼き2枚、とん平ステーキ、砂ずり、そして生グレープフルーツサワーを注文。料理は全て厨房のおじさんが焼いてくれる。お盆休み中だからか店内は賑わっていて、パートのおばさんたちはてんやわんやだった。

とくに、隣のテーブル席にいる長渕剛風のおじさんと女の子2人が騒がしくて、会話の内容がいやでも耳に入る。私と同居人はテレビを見る振りをしながらその会話を聞いて、料理を待つことにした。

長渕と女の子たちの間には随分な歳の差があるようだけど、女の子たちは長渕に対して友達口調で話していた。そして、会話に「店長」や「客」というワードが頻出する。私は3人の関係性を飲み屋の女の子とお客さんと見た。

そして、長渕はお節介で店の事情に詳しい客であると見た。女の子が誰かに言い寄られて困っているとグチれば、「んなもんキッパリ断った方がいいよ!」と熱心にアドバイスし、店長に対する不満には「アイツは悪い奴じゃねェよ」となだめ、時々「昔、娘の旦那に一喝してやってよ〜」といった武勇伝が入る。

そんな長渕の話を「なるほどね」「やば」と聞いている女の子たちを、(同伴かな、大変だねえ)と心の中で応援しながら、ようやく来たとん平ステーキを食べていると、女の子が長渕に「でも私、○○(某居酒屋チェーン店)で働いてもう1年たつじゃん」と言った。

長渕は「そっか、お前ももうベテランだな!」と笑って、生中を空ける。……あれ? そういえば、近くにその居酒屋がある。もしかして、女の子たちは居酒屋のスタッフで、長渕はそこの常連客……? 

だとしたら、長渕はお節介すぎるような気がする。「この前アイツに相談されたとき、そんな考えなら辞めちまえと言ってやったんだ」とか「△△ちゃんはちょっと声が小せぇな!」とか、好き勝手に言っている。

だけど、女の子たちは「それな」「わかるー」と同調して、長渕に人間関係やシフトの入り方をグチる。お好み焼き2枚と砂ずりが来た。私は「わー、おいしそう!」と取り分けながら、3人の関係性を考えていた。

それから、女の子たちの恋バナや将来の夢を離れた席から長渕と一緒にうなずいて、そろそろお会計をしようと2杯目の生グレを飲み干したとき、長渕が「俺がバイトなのに鍵を持ってる理由、知ってる?」と言った。

そう、長渕は女の子たちのアルバイト仲間だったのだ。それからお会計が済むまで、長渕はまるで私に種明かしをするように、鍵を持っている理由が「キッチンだから早く入りたい」と店長にかけあったからで、15時入りだけど12時に入っていると話した。

3人は仲間として、仕事の考え方や人間関係、恋バナ、将来の夢を語り合っていたのだ。帰り道、自分の想像力の乏しさが恥ずかしいと同居人に話した。見た目や年齢で関係性を決めつけてしまったから。そして、3人の会話を思い出して、「なんか良いね」と言った。

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