2日目。5時半に起床。まどろみの中、天井を見て全てを理解したとき「朝風呂に入りたい」気持ちが芽生えて、二度寝を忘れてしまった。国に入湯税を納める社会人なら誰しも身に覚えのある目覚めらしい。
動線にしわだらけの浴衣を脱ぎ捨てて、白んだ空が映る湯船に沈んだ。ふやけた爪先をそろえる幸せは、日曜日の昼下がりに体になじんだ毛布から足を放り出して昼寝を企む幸せより希少性が高くて、ありがたい気がする。
7時にセットした目覚まし時計を解除して荷物と髪を簡単にまとめたら朝食の時間。食べられるものより食べられないものの方が多い同居人も平らげたすばらしい和定食で、ごはんをおかわりせざるを得なかった。
チェックアウトの時間が迫る頃、ようやく二度寝を思い出して、観光情報を調べながら居眠り。おかげで11時オープンの店が立ち並ぶ縄手通りに10時過ぎに行ってしまい、ひとしきり途方に暮れたけど、長野県松本市とは未練なく別れられた。
帰りはお土産用の「極上生信玄餅」を求めて、山梨県韮崎市の金精軒に寄り道。賞味期限が30分のスイーツ「水信玄餅」も並ぶことなく手に入れて、15時頃には帰宅した。
クーラーをつけて、ヤクルトを飲んで、花に水をやって、洗濯物を回して、3時間ほど眠ったら、元通りの生活。あと30泊31日足りない、良い旅行だった。