出かけず、家事せず、昼寝もせず、ただじっと起きていた日曜日。ああ、このまま秋が通り過ぎていく。外では金木犀と銀杏の香りがせめぎ合っているらしい。
せめて秋の味覚を……と、同居人の家族からいただいたさんまのぬか漬けを焼いたけれど、昨日の激辛料理で負傷した胃袋を労り、まさかの酒も米もサイドメニューもなし。さんま一尾のみ。
さんま一尾のみは、お魚くわえたドラ猫がサザエさんから逃げ切った夜に食べる量よ。そう考えるとご馳走のような、ぱっと見はひもじいような雰囲気があって、大事に味わうことができた。通り過ぎる秋の裾を掴むこともできて、安心。