こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

ひでこときょうこ

私がまだ幼い頃、おじいちゃんとおばあちゃんは「ひでこ」と「きょうこ」という2匹の猫と暮らしていた。冬場は石油ストーブの熱で背中の毛が焦げている猫だった。

猫のかわいがり方を知らなかった私は、ひっぱたくようになでたり、しっぽを掴んで振り回したりして、よく怒られていた。思い出すひでこときょうこの顔は、しかめっ面ばかりだ。

ひでこときょうこという名前は、おじいちゃんが付けた。「姪っ子姉妹がかわいいから」という理由で、姪っ子姉妹と全く同じ名前だ。おばあちゃんは「身内の名前を猫に付けるかね」と呆れたらしい。

おじいちゃんのイカしたネーミングセンスのおかげで、私はひでこさんときょうこさんに会うたびに、ひでこときょうこの焦げた背中としかめっ面がちらついて困った。

それは、お正月のときも、結婚式のときも、おじいちゃんの葬式のときも。ギャルになったひでこさんに、ウエディングドレスが似合うきょうこさんに、悲しむ2人に、「乱暴にして悪かったな」と同情した。


今日も寒い。暖房だけでは部屋が暖まらず、こたつにもぐって寒さをしのぐ。石油ストーブがあれば、すぐに暖まるのになあ。こたつ布団にタバコを落として焦がしたような跡を見つけた。しかめっ面がちらついた。

f:id:am161024:20201223034358j:image