こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

鳴き声

少し高めのくるみパンをうっかり焦がしてがっつり落ち込んだ金曜日。夜、海塩入りの入浴剤を入れた熱めの湯船に浸かって心を落ち着かせた。潮の香りがいつか泊まった民宿を思い出させて旅の気分に浸った。金目鯛の煮付けが食べたくなった。

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土曜日はこの時期に流れる「近所で梅の花が咲いていた」という噂の真相を確かめるべく川辺を散歩をした。私と同じように確かめに来たであろう人々が枝につく白い花を見てほほ笑んでいたから、事実であることがわかった。梅の花が咲く音は「ニパッ」が似合うと思った。

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川辺で何か考え事をしていたジョウビタキのことを考えていたら神社に迷いこんだ。頭上で首の長い大きな鳥が猿のような鳴き声で騒いでいたから、通りすがりの知らないおじさんと「何ですかね、あれ」「何でしょうね」と2行程度の会話をした。おじさんとセットの犬は地面を掘っていた。

マスクの中で鳥の鳴き声を小さく真似しながら家に帰って、横になりながら「大きい鳥 ウキー」と調べてみた。見た目はアオサギっぽいけれど鳴き声はナベヅルっぽい、というところまでわかったらまぶたが落ちた。

夜、緊急地震速報のあとの長い横揺れに心臓が痛くなった。棚の上にある黒法師の鉢をおさえながら、311のときはやきそば弁当に付いている中華スープが入った器をこぼさないように持っていたことを思い出した。

布団に入る前に、何となく浴槽に水を溜めて、何となく防災バッグにパンツと靴下を入れて、何となく居間のドアを少し開けておいた。この「何となく」は、「やっておいてよかった」ではなく「何もなくてよかった」となるように。