こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

何屋さん

昼過ぎに天下一品でこってりを食べて、スーパーに寄った帰り道、花屋を通り過ぎ、骨董品店の角を曲がったら、ふと「将来、何屋さんになろうかなあ」と思った。

開業を本気で考えているわけではない。いいアイデアがあれば、私に向いている業種が思い付けば、たまたま助けたおばあさんに「あんたにこの店をやるよ」と言われれば、やるかもしれない。

ふと思ったままを声に出したら、運転席の同居人が「何それ」と笑ったあと、「コロッケ屋さん」と答えた。そういえばさっき、コロッケ屋さんの前を通った。

コロッケ屋さん──。「かえちゃんの手作りコロッケ!」の看板が傾いて、ヒュ〜……と風が吹く光景が目に浮かんだ。カウンターの中にいるバンダナを巻いた私は、毎晩売れ残ったコロッケを食べている。

「コロッケ屋さんは却下、次!」「ガビョ〜ン」。同居人は信号待ちの間に考えるふりをして、「じゃあお花屋さん」「あ、あとさっきの暗い店」と連投した。全く、もう少し本気で考えてほしい。

「花屋はお客さんに花の種類とか育て方を聞かれても『多分そんな感じです』って答えることしか出来ないし、骨董品はもっとわかんない。常連の物知りじいさんの話が長くて多分やんなっちゃうよ」

できない理由を並べると、同居人が食い気味に「そんなの勉強したらいいじゃん」と言った。全くもってその通りだ。しかし、私は本気で考えているわけではない。もう少し気楽に考えてほしい。

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家に着く前には、将来「餃子屋さん」になることが決まった。理由はスーパーでチルドの餃子を買ったから。しっくりはこないけれど、考えるのが面倒になったから何でもいい。f:id:am161024:20210523033822j:image

夜、チルドの餃子を食べた同居人の「これ薄皮でおいしいなあ」「手作り感がある」という感想を聞いて、「かえちゃんの手作り薄皮餃子!」が頭に浮かんだ。ヒュ〜……と風が吹いていた。