こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

レモン汁の教え

毎週末、同じことの繰り返し。何か新しい、変わったことをやりたい。その何かが思いつかず、貧乏ゆすりをしたり、頭をずっとかいたりしていた金曜日があったから、土曜日はブルーベリージャムを作った。

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別に、ジャム作りは「何か新しい、変わったこと」ではない。目が覚めても何も思いつかないまま、そろそろスーパーに行かないと食べるものがなくなるし、外に出りゃあ気が散る何かがあるだろうと考えて、買うものを確認するために冷蔵庫を開けたら、そうなった。

冷凍室の奥に、ほとんど使っていない大容量パックの冷凍ブルーベリーがあった。去年あたりの今日みたいな日に、「いつかの私がこれを使ってどうにかしてくれるだろう」と思って買った。その思いを、今日の私が受け取った。

岩のような塊のブルーベリーを鍋にぶち込み、目分量の砂糖を入れた。ジャムを食べられるようになったことをきっかけに、先週はおいしいパンとジャムを探しに河口湖まで行って、今週はジャム作り。一続きで、やっぱり「何か新しい、変わったこと」ではない。

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だいぶ煮込んでから、ジャム作りにはレモン汁が欠かせないことを思い出した。なぜ欠かせないのだろう。とりあえず「ジャム レモン汁 代用」と検索する。そういえば、先々週くらいにも柄杓を作るのに同じようなことをしていた気がする。

どうやらレモン汁はかっこつけではなく、ジャムをかためるために欠かせないものらしい。とろみをつける成分、ペクチンクエン酸を含む柑橘類の種や皮、りんごの芯で代用できるそうだ。勉強になる。先々週くらいにも、タニシの正体を調べるのに同じようなことをしていた気がする。

そうだ、洗面所の棚に掃除用のクエン酸がある。去年あたりの今日みたいな日に、「いつかの私がこれを使ってどうにかしてくれるだろう」と思ってダイソーで買った。ナイス、去年あたりの今日みたいな日の私。

早速、棚からクエン酸の袋を取り出した。ペクチンがどうのこうのと説明していたサイトに、「プロの料理人はクエン酸を使ってジャムを作る」とあったから、裏面の説明書きにジャムのレシピが書いてあるかもしれない。

赤字の「食用ではありません」に、真っ先に目がとまった。他も注意書きばかりで、ジャムのジの字もない。未開封のまま棚に戻し、鍋の火を止めて、居間で一服することにした。

今日は暑い。長時間火を使うジャム作り日和ではない。全ては後にして、シャビィでも食べよう。……ん……シャビィ……? シャウエンも驚く速さで立ち上がり、冷蔵庫へ向かった。シャビィは濃厚レモン味。レモンスライスが入っている。

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私〜は天才だ〜♪ ほじくり出したレモンスライスをドドメ色の鍋に入れて、再び火にかけると、即興のオリジナルソング「私は天才だ」を声高らかに歌った。私〜は天才だ〜♪ レモンスライスを崩すようにかき混ぜる。私〜は天才だ〜♪ ていねいに種を取り除く。私〜は天……あれ、とろみがつかない。

なぜだ、レモンにはペクチンクエン酸が含まれているはず。シャビィの薄すぎるレモンスライスでは、とろみを作る成分が足りないというのか。食べていいものなのかわからないあの薄さがシャビィのレモンスライスの良さなのに! クソゥ!

私は取り乱し、冷蔵庫を漁ると、去年あたりの今日みたいな日に「いつかの私がこれを使ってどうにかしてくれるだろう」と思って買ったみかんのシロップ漬けをやけくそで鍋に入れた。なんかめちゃくちゃとろみがついた。

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先週の続きと、先々週の繰り返しと、去年あたりの今日みたいな日に買ったもので、おいしいブルーベリージャムが完成した。何か新しい、変わったことではないけれど、全然OKだった。

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てゆうかなんだよ、何か新しい、変わったことって。かっこつけてて笑っちゃうな、レモン汁を見習うべきだな。