関東甲信が梅雨入りした日、わが家はレモンスカッシュ入りした。
レモンスライスと氷砂糖は、平年より7日遅かった梅雨入りのように私を焦らしながら、ゆっくりと溶けあった。
炭酸水で別れを告げる日を今か今かと待ちわびて、雨が降り、2週間。ついに完成、「いけずなレモンスカッシュ」。しっとりとした甘さは、風邪をひいた夜の味。
底にたまったシロップをマドラー代わりのフォークでといて過ごす昼下がりは、6畳の居間に似合わぬ趣があった。同居人は珍しくパンツ一丁じゃなかったし。
関東甲信の梅雨が明けるころ、わが家のレモンスカッシュも明ける予報。夏を迎える際は、レモン5つと氷砂糖をお忘れなく。