こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

思い掛けず

ちょっとそこまでのつもりがバスに乗り、傘を持たずに駅前まで。あっちとこっちの数十円の差を気にせずに、いくつかの不要なものを買った。

エコバッグがいっぱいになったところでバス停に行くと長蛇の列。雨に降られそうだけど、平均歩数が300前後の身として、歩く覚悟を決める。

横断歩道を渡り、小学校を越え、左端を歩き。並行して歩く電話中のおじさんは、「ところがよ」が口ぐせなのだろう。今のところは予想を裏切らないけれど。

エコバッグの中の豚こま300グラムが傾き、おじさんと別れ、腹が減り。どうして私は駅前のつけ麺屋に寄らなかったのだろう。家にカップラーメンはあるけれど。

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家まで残り半分、ちびっこ剣道教室の前。立ち止まり、引き返そうか、帰ろうか。後ろから自転車が来て、思い掛けず口の中をカップラーメンに切り替えるべき道を選ぶ。

家まで残り半分の半分、住宅街の中にある日本料理屋の前。エコバッグを肩にかけ直し、ランチメニュー、天丼800円。お腹がグゥ〜と鳴り、思い掛けず日本料理屋の入口をまたぐ。

会席などで使うような店構え。大きく息を吸って小さく「すいませ〜ん」と消え入る。「は〜い」と出てきた店員さんに「間違えました」と頭を下げるわけにもいかず、「一人です」とまた消え入る。

通された席でかしこまっていると、店員さんに突然「どうしてかしら?」と声をかけられた。「今日は初めてっていう一人のお客さまがたくさんお見えになって、あなたで4人目なの」と。

確かに今日は雨の予報だった。ちょっとそこまでのつもりだった。口の中はカップラーメンに切り替わっていた。「何でだろう……」と首を傾げ、勧められるままにトマトジュースと天ぷら定食を頼んだ。

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家まで残り半分の半分の半分、ほぼ家の前。8137歩、満腹。ちびっこ剣道教室の向こうの空が黒い雲に覆われていて、思い掛けず「何でだろう……」と首を傾げた。