こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

マックスコーヒー

かわいい布団カバーを探して1万1160歩。15歳の無職の冬に通った川沿いの道を歩いて、ファッションセンターしまむらへ。

30歳のアルバイトの梅雨だから感傷の色はなく、自転車に乗っていれば鼻歌を歌ってもいいと思っているおばさんにつられて「さんぽ」を口ずさんだ。

f:id:am161024:20210627014059j:image

でっかいヘビに遭遇してからは緊張感を持って歩き、冷や汗が張り付いた情けない顔にて到着。道中に見た草花のような淡いコントラストの布団カバーは見つけられなかった。

手ぶらが寂しい帰り道は、でっかいヘビがいなさそうな高級住宅街の公園を突っ切った。そういえば昔、向こうの山の電波塔は「叶姉妹が建てたらしい」と誰かに嘘をつかれた気がする。

そのまた向こうの歩道橋で暮らしていた人は、今はどこで暮らしているのだろう。ギターケースを抱えていたけど中は空っぽで、傍にはいつもマックスコーヒーの空き缶が転がっていた。

私が中学校に上がる前には、マックスコーヒーの空き缶とともに消えて──。野菜の無人直売所を発見して我に返る。箱に200円を入れて、手に玉ねぎときゅうりの重みが楽しい帰り道になった。

f:id:am161024:20210627014118j:image

柴犬と連続で4匹もすれ違ったから、いいことがありそうな予感を抱いた夜は、同居人がハーゲンダッツを買って帰ってきた。中学校に上がって初めて飲んだマックスコーヒーは、これよりもっと甘かった。

f:id:am161024:20210627014131j:image