何を思ったか100年ぶりに個人のFacebookを開いたら、タイムラインが地元、飲み屋、刺青であふれていて、「そうだった」と我に返った。
おとぎの国に生まれ、動物や植物と触れ合い、フリフリのリボンをつけて育ったと、危うく記憶をすり替えるところだった。
先輩、後輩、同級生が付いてまわる町に生まれ、背中や腕に筋と色を彫った人々と触れ合い、酒を浴びて育ったことを、忘れかけていた。
1個上の元カレは親方になり、卒業式に制服のボタンをあげた後輩は5人の子どもを育て、よく知らない他校のタメは家のローンを払っていた。
嫌になって断ち切ったけど、それぞれはそれぞれが知らないたくさんのものに触れて、変わったり変わらなかったりしていた。何か、勘違いしていた。
私も変わったり変わらなかったりしている。今もこの町で暮らしている。花とメダカを育てている。術後のシャウエンが心配で胃が痛み、眠れなくてFacebookを見ている。3錠目の痛み止めを飲んで日記を書いている。ああ、そうだった。