先日の胃痙攣の原因を突き止めるべく、勇気を出して病院に行ってきた。
紹介してくれた友人や口コミから「先生がちょっと怖いけどいい人」という情報を仕入れていたから、少し緊張した。「ちょっといい人だけど怖い」なら困ってしまう。
病院のサイトには「ご希望があれば眠りながら検査を行うこともできます」と書いてあったけど、「とはいってもつらいものでもないので麻酔なしでいきましょう」などと押し切られたらどうしよう。
不安で満たされた目玉には、待合室にいる全員の腰が低く映った。いつでも逃げられるように、椅子に浅く腰掛けているようにも。私と同じように病院が怖いのだ、と思いたい。余裕はないけど心強い、と信じたい。
先生は、ちょっと怖いけどいい人だった。紙のカルテに筆記体の暗号をつづる右手や、特別な棚に収納された難しいハンコを選ぶ横顔はゴツゴツとしていて、たしかに怖かった。
案の定胃カメラを飲むことになり、「眠らせてください……」と持ちかけると、「わかりました」とすんなり答えてくれたから、多分いい人だった。ほっとした。
胃カメラを飲むにあたり、血液を検査することになった。注射が大の苦手だから、2、3人の大人に「は〜い、頑張れ頑張れ〜」「わあ、えらいねえ、もう終わるよ〜」とあやされながら血を抜かれて恥ずかしかった。
鎮静剤は注射で入れるらしい。血液検査の直後にあっさりと告げられて、「あんなにあやしてくれたのに?」と言いかけた。今夜は眠っている間に終わる胃カメラより、眠るために打つ注射のほうが憂鬱。ね、シャウエン。