一昨夜、眠気に襲われた同居人は、「もうむり」とだけ言い残し、「鬼滅の刃 無限列車編」放送開始10分で布団に入った。
そのころ、同居人の母親もまた眠気に襲われ、煉獄の最期を見届けることなくコタツで寝入ってしまったという。
翌朝、同居人親子の事の顛末を聞いた私は、「なんじゃそりゃ」と言って笑った。まあ、そんなものだろう。
午後、同居人は2回目のワクチンを接種した。時間の経過とともに変化する体調に振り回されてはいるけれど、優しいシャウエンと心強い解熱剤がいるから、平気そうだ。
私はただ見守るだけで、大変なことはない。ただ、接種前は少し大変だった。同居人は接種前の数時間、心が弾んでいるような、怯えているような、微妙なテンションでいた。
接種会場へと向かう車の中、「俺は絶対に熱を出さない」「いやでも、ああ、どうだろう」と繰り返していて、私は何度も「そうだね」と相槌を打った。
普段、性格がこざっぱりしている同居人の、その面倒臭さがやけにおかしくて、心配があまりできなかった。明日はちゃんと心配して、冷えピタを貼ってあげよう。