一泊二日で愛知県名古屋市へ。
高速バスで片道約5時間を行って帰ってくる手段は腰思いではなかったけど、「WOW WAR TONIGHT」を聴きながら、「人生のぉ!」と「褒めろぉ!」のところが好きだなあ、と考えているだけで目的地に到着するから楽だった。
名古屋、とくに栄には若い人たちがあふれていた。みんなおしゃれで、パキッとしていて、街をにぎやかにまとめ上げている。最近、着飾ることを忘れている私の瞳には、栄を歩いている若い人たちが、とてもえらくてかっこいい存在に映った。
限りある食事の時間には、ひつまぶし、味噌カツ、手羽先、名古屋コーチンの親子丼、きしめん、天むす、ういろう、ぴよりんなど、これぞというものを胃に納めた。有名どころに裏切りはなく、温かいものを温かいうちに食べられて幸せだった。
観光は名古屋城のみ。城はとても上出来で、お約束の「マジで城だね」の他、「すごーい」「きんぴかだー」といったお上品な感想も飛び出し、たいへん盛り上がった。同居人は、「大きくなったらこういう家に住みたいです」と言っていた。
そんな同居人の名古屋での服装は、動きやすさに注力した結果、わんぱくなストリート系となった。本丸御殿の前で撮った同居人の写真は、お忍びで来日中のジャスティンビーバーよろしく、「非公式で訪れた」感があり、とてもよかった。
私もまた、写真に関しては非常に健闘していた。常にすっとぼけていて、全身に日々の怠惰がにじみ出ていたり、表情の情緒が激しかったりする。悲しいかな、まともな写真が一枚もない。なんというか、笑うしかない。
宿泊したホテルの部屋からは、名古屋の街が一望できた。夜、大きなベッドに体を横たえながら、身の丈に合わない窓の向こうの景色を目に焼き付けていたら大粒の流れ星に遭遇して、自分史上最もネイティブな「ワーオ」が出た。
シャウエンはその間、ひとりでお留守番をしていた。この日のために用意した自動給餌器のカメラで、就寝時以外の1時間に一度は部屋の様子をチェックしていたが、シャウエンが姿を現すのは6時間に一度の給餌の時間のみだった。
意外と全然大丈夫そうなことに肩透かしを食らいつつも急いで帰宅すると、ドカスカと玄関まで迎えに来たシャウエンが「コラアアアア!」とわめきながら床に背中をゴロンと打ちつけ、左右にうねった。
部屋には食い荒らされたおやつの袋が一つ落ちていたが、それ以外は特に異常なく、けなげに待っていたことがよくわかる。シャウエンにはお土産として、離ればなれの間に仕込んだ目いっぱいの愛、すなわちおなかワシャワシャを渡した。
年頃のシャウエンが家に彼氏を呼びたいがために、いかにも親思いな顔をして、私たちに「そろそろ二人でまた旅行にでも行ってくれば?」と提案することがあったら、またどこかへ行こうと思っている。