いい週末だった。寝て起きたら隣にシャウエンがいて、カーテンを開ければ晴れていて。
やるべきことは山積みのままだし、休日のお菓子作りは憧れるけど、どれもできない気がしたから、ふらっと高尾山に行った。
天気を見たままに受け取って、薄着で来たことを反省した。紅葉をそれなりに見ても、焼きたての天狗焼と栗を食べても、どうしたってこたつが恋しくなる。
逃げるようにして帰って、こたつのなかでやるべきことの山を少し削った。それだけでとってもえらい気がして、明日もどこかへふらっと行こうと決意する。
翌日はふらっと行く先が思い付かず、ホームセンター、100円ショップ、スーパーへ。行く先々で密かに向かいの人と袋詰めのスピードを競ってみたり、子どもじみている自分が情けなくなったりした。
遠回りをして、母方のおばあちゃん家の前を通ったけど、やっぱり今日も会えず。さっさと帰って、冷えた体の末端をあたためながら、プラントハンガーを編んだ。
1つ、2つと出来上がり、日が沈み、「やることをやらねば」と焦り始めたころ、お父さんからの電話。内容はなんと、子連れの女性と再婚するとのこと。そして、私は5人きょうだいの長女になるとのことだった。
うれしそうで、うれしくて、にぎやかな妄想がふくらむ。元気いっぱいに「おめでとう!」を言って電話を切ったら、焦り始めていたことを忘れてしまった。
いい週末だった。ふらっと出かけて、家族が増えて。やるべきことをほとんどやらなかったけど、いい週末だった。