こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

私の人生

先週の休日、フリマに初出店した。私はフリマに向いていなかった。

出品したものは、家にある服や雑貨約50点。ブルーシートの上に広げて、ニコニコ、ヘラヘラ。全品500円以下に設定したが──午前中に売れた数、5点。

f:id:am161024:20220301214936j:image

その5点は、いかにも関わっちゃいけなさそうなおじさんがフラフラとやってきて、「やる気がなくてかわいそうだからたくさん買ってあげるよ」と憐れみ、情けで買ってくれた。

私は、ナルホド……! と思った。おじさんの言う通り、私はやる気がない。おままごとの気分で出店している。周りの出店者たちのように「いらっしゃいませ〜!」とか何とか、声を張り上げていない。ただ座ってニコニコ、ヘラヘラ。

しかも、マスクをしているからニコニコ、ヘラヘラは伝わっていない。ただ、じっと、座っているだけ。情けないやら何やら、おじさんに「全部で1000円でいいです」と頭を下げたら、「ほんと、やる気ねぇな」と札を投げられた。

き、きつい……! と思った。そうだ……やる気を出そう! と思い直した。これはまるで、私の人生。かわいそうだから、バカだから、ヘンテコだから、私は今まで、あらゆる場面で、さまざまな情けをかけられ、救われてきた。だけど、もうやめよう。甘えるのはよそう。

まずは声出し。「……ぞぉ……うぞぉ……」通行人に元気よく「どうぞ〜!」と声をかけるつもりが、緊張で語頭がくぐもり、「食っちまうぞぉ……食っちまうぞぉ……」みたいになってしまった。散歩中のチワワが私を見て怯えている。

ダメだ、もっと明るく。元気よく! ちょうどその時、小学生くらいの子どもが私の前で足を止め、ブルーシートの上に並べてある漫画をパラパラとめくり始めた。──今だ、話しかけなきゃ……!

「そ、それ……」小学生はビクッと肩を震わせ、ゆっくりと顔を上げた。まずい、突然声を発した私に怯えている、チワワと同じ目をしている。和ませなくては、サービスしなければ……!

「ほ、欲しいんだったら……あ、あげる……ほら、ほらぁ……!」小学生は漫画を投げ出し、一目散に逃げていった。

下手かよ。千に金をあげたいカオナシかよ。てかあげんなよ。もうなんだかおかしくて笑えてきた。ヒッ、ヒヒッ……隣のハンドメイド作家が、私のほうを必死に見ないようにしている。ヒッ、ヒヒッ……泣けてきた。

結果、最後まで一人でやるつもりだったけど、何もかもがダメすぎて、途中から同居人や同居人の家族が参戦。大幅な値下げや協力のおかげで、7020円の売り上げを出した。

f:id:am161024:20220301214915j:image

私はフリマに向いていなかった。だけど、「めちゃくちゃ楽しかった〜」みたいな、充実感に包まれている。そんな自分に「えっ、なんで……?」と戸惑っている。多分、私の人生だった。

***

戦争が嫌すぎて眠れない日が続いていたけど、嫌と生活は並行していかねばならんから、久しぶりに日記を書いた! ワー!