こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

夏期講習

学校の夏期講習に行ってきた。

教室には若い子がたくさんいた。10代から20代前半がほとんどで、私は夏期講習を担当する先生との年齢のほうが近かった。だけど、○年△組の教室みたいだった。

私の隣の席の子はせっかちで、答えが分かると「よんよんよん!」「なななななな!」と連呼する。後ろの席の子は「あの……」の声が先生になかなか届かない。一番前の席の子は、お互い必要な言葉以外は交わさないまま学校を卒業するタイプ。

私の前の席には、ノースリーブから焼けた肌を出している部活帰りのようなショートカットの子が座っていた。見た目もしぐさも小動物みたいで、プリントを後ろの席の私に配るとき、必ず喋りかけてくれた。私はその子を心の中で「リスちゃん」と呼ぶことにした。

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昼食後、午後の授業が始まる5分前。支給されたお弁当を食べ終え、1階の駐車場で一服をしたあと席に着くと、リスちゃんに「おはぎとあんこの違い、分かりますか?」と聞かれた。私は質問の意図がわからず、とっさに「つぶあんこしあん、とか?」と答えた。

するとリスちゃんは、「あっ、違います! やっぱわからないですよね!」と私の机に身を乗り出し、「実は、中にお米が入ってるほうがおはぎなんです!」と張り切った。私は間を一つ置いたあと、「あっ、そっかー!」と答えた。

リスちゃんは、「この前友達に教えてもらって、すごく勉強になって。だから、勉強って楽しいなーって思ったんです!」と言って笑った。そして、チップとデールの違いも教えてくれた。

15年前に同級生だったら、私とリスちゃんが同い年だったら、きっと「はぁ、お前やば〜」と笑っていた。だけどもう大人だから、「うん、勉強って楽しいよね!」と言った。午後の授業は、リスちゃんの頬を両手で挟んでぐにぐに撫でまわしたい衝動にかられて集中できなかった。

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みんな中卒で、高卒認定試験合格を目指している。だけど、○年△組の教室みたいだった。教室みたいで、初めてだった。それぞれはきっと過去に教室から外れていたけれど、今、ここでは、教室の一員だった。

なぜか分からないけどやる気を取り戻して、帰ってからも勉強をした。お互い、勉強頑張ろうね。