こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

リシャルリソンにした

あんなに愛を語ってたのに。MVP選手の名前を付けるって、話してたのに。ドジョウが、身投げしてしまった。

今は瀕死状態で、だけど生きている。生きているけどあお向けで、必死にエラを動かしている。きっと今夜が山で、そしてきっと厳しい。

ドジョウの身投げはいつ起こったのかよくわからない。同居人が仕事に出る直前、ビオトープ近くのカーペットで横たわっている姿を発見したそうだ。

そのとき息はなく、同居人は「煮干しだ」と思ったという。ごみ箱に捨てるか迷ったが、私の悲しむ顔が浮かび、「とりあえず水槽にポイっと入れといた」そうだ。

私は寝ていた。身投げの瞬間にも、「ポイっ」の瞬間にも立ち会っていない。いつもよりヨダレを多く垂らしながら、強盗をフライパンで仕留めるエキサイティングな夢を見ていた。

シャウエン母さんに「そろそろ起きなさい」と布団を引っぺがされ、私はようやく目を覚ました。ここ数日の寝起きはとても良い。だって、「みんな元気かな」って気になるから。

ビオトープはロフトベッドの斜め下にある。落ちないように柵の上から頭を出せば、みんなとすぐに会える。だから今朝もヨダレを拭いてから頭を出した。がらがらの声で「おはよう」ってあいさつした。

朝のあいさつは届かなかった。水面に、横たわったドジョウが浮かんでいた。私は天井に頭をぶつけ、「どぁ、ハッ!」「へっ、あ⁉︎」とか何とか叫びながら、ハシゴから滑り落ちた。

ドジョウの体にはシャウエンの毛と私の髪の毛が絡み付いていた。私は名探偵よろしく、寝ぼけ眼で現場検証を行ったが、私の靴下が片方だけ脱げている理由が「寝ているあいだに暑くなって脱いだから」ということしか解き明かせなかった。ちなみに名探偵は、シャウエンによる犯行は一切ないと考えている。理由などない。

名探偵ごっこを早々に切り上げ、Googleに頼った。ドジョウはまだ生きているけど、一刻を争っている。塩浴やら、エアレーションやら、水温やら、なんかいっぱい対処法が出てきて、そのなんかいっぱいを全部試すことにした。

とにかくまあ、何やかんやで19時現在も虫の息だが生きている。書いている途中で夜ごはんの準備をしたら何やかんやを綴るのがめんどくさくなっちゃった。

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さて、ここで私から一つ報告がある。私は今ほど、ドジョウを「リシャルリソン」と命名した。

今回のW杯のMVP選手の名前にすると言っていたが、予断を許さない状況だ。発表など待っていられない。星になってしまう前に、リシャルリソンの名を授けた。

リシャルリソン、頑張れ。リシャルリソン、響きがいいね。リシャルリソン、セルビア戦のスーパーゴール感動したよ。リシャルリソン、漢字で書くと李社瑠璃村。

リシャルリソン、リシャルリソン、リシャルリソン……どうか、生きてくれ。