食感はゴリラが食べるクッキーだった。動物園の飼育員さんが「今日はゴリラさんのために、クッキーをたっくさん作りました〜!」と言って来園者に見せて回るような、飼料に水足して捏ねて5日置いたんかな、みたいな強度だった。
味は西日がよくあたる土に砂糖を振りかけたような、野ざらしの風味だった。サバイバル生活8日目に上着のポケットからこれが出てきたらうれしいような甘味で、腹持ちが良く、限られた飲水を一欠片で全て持っていく意思を宿していた。
トレーニングの合間に摂取することを推奨したくなるような、タンパク質に似たウエイトがあった。ドラッグストアのプロテインバーなどが陳列されている棚にこっそり置いておけばバレないかもしれない。誰に何がバレてしまうことを恐れているのか自分でも分からないけれど、いけそうな気がする。
やめよう、悲しくなってきた。