え、どちらさま……？ 購入したのはメダカと水草だけだし、譲ってもらったのはヌマエビだけなのに、どうしてビオトープにタニシがいるの……？
しかも3匹。ビオトープの苔を食べてくれるなら助かるけれど、え、どうして……？ 川は離れた場所にあるから、歩いてきた可能性と風に乗ってホールインワンの奇跡は考えにくい。
見間違い？ 小石……ではなさそう。のっそのっそと動いている。やはりタニシ……いや、タニシ？ タニシと決めつけているけれどタニシではない？ だとしたら何者？ ま、まさか……地球外生命体。
侵略を阻止する方法を考える前に「タニシ 買った覚えない」と調べてみたら、水草などに付着して水槽に混入する小型巻貝「スネイル」だとわかった。……チェッ、つまんな。
スネイルというのは総称で、ビオトープにいるトリオは「サカマキガイ」と考えられる。サカマキガイは単体で大繁殖する「厄介者」で、アクアリウムの景観を損なう「嫌われ者」らしい。
ふーん、厄介者で嫌われ者ねぇ……。あのさぁ……うちでよければ苔くらいは食わせてやるよ？ 他に行くところ……あ、あるんだ？ 汚染された水や溝にも生息できるくらい適応能力が高いんだ？
へ、へぇ……。いやいいけど、ビオトープがにぎやかになるのはうれしいし。……えっ、ちょっと待って、苔取りしない？ しかも、水草を食い荒らす？ ……や、厄介〜！
