こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

毎日ピアノを練習してるんだ。電子ピアノを1万9800万円で購入して、練習用のアプリを入れて、年額7800円のサブスクに契約して。

ピアノ、弾けたらかっこいいなあ、楽しいだろうなあって思ってさ。頑張って1日1時間やってるんだ、今日まで20日間。

でもさ、分からないの。音符が右手のドレミファソしか読めないの。ラになるともう、左手なんか全部、何も。

私、ガチの初心者じゃないんだよ。前にも言ったけど、これでも一応小学生のとき、5年間ほぼ毎週、ピアノ教室に通ってたの。

お母さんに「行きたくないけど辞めたくない」って泣きつきながら、「お願いだから辞めてくれ」と言われながら、毎週水曜日はピアノ教室まで自転車こいで行ってたの。

そのときも音符が読めなくて。全部指で覚えてさ、先生に「指見ない、楽譜」ってため息をつかれて、涙と鼻水でカピカピの顔がかゆくって。

今もそう。泣きべそかきながらやってるよ。5年間と20日、何も進歩がないから悲しくて。25年前から今日までずーっとドレミファソ。情けないよ。

だから今日は休んだよ。やんなっちゃって休んだよ。そしたら今日、5年間で学んだことをようやく、一つだけ思い出した。さすが5年間やってただけあるなって、初めて思えた。

そうだよ私、たまに休んでたよ。お母さんに仮病の電話をしてもらって、「月謝がもったいねぇ」ってキレられてた。内心へへって思いながら、弟がやってるクラッシュ・バンディクー見てた。そうだよ私、そんな頑張り屋じゃない。

取り戻す感覚とか蓄積したノウハウとか何もないと思ってたけど、あったね。やりたくないけど辞めたくないなら休めばいい。これが5年間で得た感覚とノウハウだ!

あべこべな感情には多少の罪悪感と焦りを抱かせたほうがいいのよ。やりたくないけど辞めたくないならまたやるから、見守ろう。

きっとね、明日は2時間やるよ。休んだ分、やけになって、でも何も頭に入んなくって、そしたらほんとやんなっちゃって、そしてついに辞める。あ、ダメだそれ。

いややっぱ明日は1時間で。こんなんじゃ一生音符読めないね。
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昼寝5時間

昼寝5時間しかできないのかな、私。ちょっと30分とか、小一時間だけとか、嗜むことはできないのかな。

元気だよね、やる気がすごい。昼寝ってそんなにしなくていいのにね、体。

こんな話前にもした気がするけど、昼寝を5時間もしてしまったら、それはもう就寝なんだよ。ダメなんだよ、おい頑張れ。

でもさ、早起きなんだよ、最近。6時前には毎日起きているの。そうするとさ、5時間も昼寝をしたって一日がまだ残ってる。みんながまだ活動してる。

私も乗っかったよ、活動の波に。昼寝5時間だって、アップルパイとさつまいものパウンドケーキを作った。おいしかった。

それってさ、なんかもう大丈夫だよね。良かったことになるよね。いやいやむしろ、すばらしい休日だよね。やったー!

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いいこいいこ

朝から頑張っちゃって。煮たり焼いたり炊いたりと。

こりゃあ間違いないねって、彩りとか味付けとか、自己満足しちゃって。

あ、ごはんが炊けるまでのあいだにお風呂でも入ろうかなんて、まるで健康的で。

今日は涼しいんだなあって、天気予報を見ながら、シャウエンと目を交わしながら、朝ごはんを食べて。

そんで疲れちゃった、仕事前に。眠くなっちゃった。

朝のうちに一日を終えたのよ、気持ちが。昼寝をしないと今日をやり直せないのよ。

でもね、仕事をしちゃったねえ。頑張ったねえ。

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結局のところ、今日は頑張ったねえ。

こいつは正に大迷惑

同居人とは、15年近く一緒にいたりいなかったりする。同居人はこれまでに、私の記憶のなかにたくさんの忘れられない一言を残してきた。

例えば、お菓子をぼろぼろ落としながら食べているときに言われた「すずめの後を付いて行けばお前にたどり着く」とか、映画「万引き家族」を思い出せなくて言い間違えた「あれなんだっけ、引っ越し貧乏」とか。

変なことばっかり。「なんじゃそりゃ」って思って、でも忘れられない。ついこないだの、「人に迷惑はかけていいんだよ」ってやつもそうだった。

これは、だからタバコをポイ捨てしようとか、列に割り込み中指を立てようとか、そういうことではない。人との関わりを「これ以上迷惑をかけたくない」という理由で遮断してしまう私への一言。

同居人は、「だって人に迷惑をかけないと人と付き合っていけないと思う」とも言っていた。私は「なんじゃそりゃ」って思って、でも忘れられなかった。


半年前、私は「一人暮らしをしてみたい」と夢見て、ある夜、来週のドラマの見どころを語り終えた同居人に、思い切って「一人暮らしをしてみたいんだ」と打ち明けた。

同居人は空虚を見つめ、録画予約を終えたあと、「シャウエンが寂しがるから、シャウエンも一緒にだったらいいんじゃない」とだけ言った。物件が決まると、私の荷物を新居へと運んでくれた。軽トラで何往復としてくれた。f:id:am161024:20230921082358j:image
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シャウエンを携えた一人暮らしはすぐに始まった。電車が通るとメダカ水槽の水が波を打つ、家賃3万円のボロアパートだった。家賃と光熱費を支払うだけで、難しいことは何もなく、一人暮らしは順調に続いていった。

一人暮らしの目的は、一人で暮らすことだった。ボールペンが勢いよく転がるほど床が傾いているワンルーム。夜中になると外に出て、夜空へ向かって「バカヤロウ、クソボケ死ねうわああああ」と叫び出す隣人。見たこともないようなデカイ虫が飛来している自然豊かな周辺環境。目的を十分に満たしていた。

「一人暮らしをしてみたい」以外、特に夢や希望がなかった。悪いことをする勇気もなかった。だからすぐ、一人暮らしに飽きてしまった。

同居人とは毎日、「はさみどこ」とか、「机の引き出しの右手前」とか、他愛のないメッセージを交わしていた。窓の外から聞こえる電車の轟音は、まるで同居人のいびきみたいだった。好きな時間に起きて、食べたいものだけを食べて、だけど、だからやっぱり一人暮らしだった。

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夏にも飽きてしまったころ、近所のお寺の階段で、衰弱している子猫を見つけた。子猫の命は一日と持たず、搬送先の病院で、私はやるせなく、とっても独りよがりな涙を流した。子猫と過ごしたたった一晩、私は同居人と私と、シャウエンと子猫と、大きなお家で暮らしていく夢を見ていた。


そして、家を買った。「みんなと一緒に大きなお家で暮らしたいね」と言って、一緒にお家を探した。同居人はワンルームの荷物を、私にとっては大きなお家へ、軽トラで何往復として運んでくれた。

迷惑をかけている私が、「人に迷惑はかけていいんだよ」って教えてもらうって、なんじゃそりゃ。人に迷惑をかけないと人と付き合っていけないなんて、なんじゃそりゃ。きっとまた、私は「迷惑をかけたくない」と言いながら、お菓子をぼろぼろ落としてしまうのだろう。

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いろいろと端折りすぎているけれど、まあ何だか何だか、怒涛だった。って自分のせいか。

この間に優しい人が子猫のことで気にかけてくれたり、うちのばあさんが認知症になったり、思い立ってまたピアノを始めてみたり、だけどやっぱり楽譜が読めなかったり、お世話になった人が倒れたり、不動産屋にしてやられたり、一家離散になりつつあったり、ごはんをいっぱい食べたり、太ったりさ。

忘れちゃならんことと忘れたほうがやっていけそうなことがたくさんあるから、だからまあ、ぼちぼちやってくの。

クッキーを作った

食感はゴリラが食べるクッキーだった。動物園の飼育員さんが「今日はゴリラさんのために、クッキーをたっくさん作りました〜!」と言って来園者に見せて回るような、飼料に水足して捏ねて5日置いたんかな、みたいな強度だった。


味は西日がよくあたる土に砂糖を振りかけたような、野ざらしの風味だった。サバイバル生活8日目に上着のポケットからこれが出てきたらうれしいような甘味で、腹持ちが良く、限られた飲水を一欠片で全て持っていく意思を宿していた。

 

レーニングの合間に摂取することを推奨したくなるような、タンパク質に似たウエイトがあった。ドラッグストアのプロテインバーなどが陳列されている棚にこっそり置いておけばバレないかもしれない。誰に何がバレてしまうことを恐れているのか自分でも分からないけれど、いけそうな気がする。


やめよう、悲しくなってきた。

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健脚

甲州街道44次、制覇してぇな……と思い立ち、本日早速4次(約15キロ、2万7000歩)ほど歩いた。

帰りは車で迎えに来てもらい、早朝から4時間かけて歩いてきた道をたったの30分程度で走り抜け、帰ってきた。

 

ダンプカーに轢かれかけたあの峠。

ひっつき虫と蜘蛛の巣に絡まれたあの小道。

道を間違え、山から降りたときに遭遇した地元のおじぃを、「お前さん、○○から歩ってきたんか……!」と震撼させてしまったあの下り坂。

全て、一瞬で通り過ぎた。

 

「途中で力尽きて倒れてしまったら大変だから……」と案じて立ち寄り、カツ丼を食べた定食屋も。

「お腹はいっぱいなんだけど、まあでも倒れてしまったら大変だから……」と案じて立ち寄り、ラーチャー餃子を食べたラーメン屋も。

「ほらなんか熱中症とかいろいろアレで、とにかく倒れてしまったら大変だから……」と案じて立ち寄り、チョコミントアイスを食べた喫茶店も。

まるで走馬灯を見ているようだった。

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へのへのもへじ

今夜は初来訪の町中華でカツカレーとラーメンとチャーハンを半分こずつして食べた。

「今これが食べたかった!」の味で、人柄が良くて、いつでも行けるような場所にあるからきっとまた行くのだけど、今日は今日の、あの時間に居合わせた景色がなぜだか愛おしくて、帰り道、泣きそうになってしまった。

例えば閉店間際の19時30分ごろ、多分定位置の近所の常連3人と、駆け込む作業着の男性。白髪の店主は出前で行ったり来たり、カウンターより背の低い母と厨房で口争いながら息子が中華鍋を振り。

ブラック・ジャック』の全巻、生花のポスター、各テーブルのアルミの灰皿。カレーは甘口、ラーメンはあっさり、チャーハンはしっとり。常連3人は商工会のカラオケ帰りで、作業着の男性は店先に路駐していたグレーの軽バンに乗って帰った。

同じ場所で同じものを食べて、大きな声で「ごちそうさまでーす」って言って、帰り道、味の感想とか、昼間に買った甘いパンは明日食べようねとか、そんなことを話しながら湿った夜風と歩いて。

バランスをちょっぴり崩した毎日にそんなありきたりが染みちゃって、それっていつもはつまんないのに、しみじみ泣きたくなっちゃった。やだね、わがままで。

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じゃ、寝るー。