シーツの冷たいところを探してころころと転がる休日もいいけど、たまにはしっかりおめかしをして外に出てみたよ。
夏休みも終わりに差し掛かった立川のららぽーとは親子連れで溢れかえっていた。小学生たちはきっと、残された宿題を頭の片隅に置きながらマリオカートのアクセルを踏んだり、フードコートでクレープをかじったりしたのだろう。
長い長い夏休み、いいなあ。でも、君たち子どもと違って、われわれ大人には大きな胃袋とお給料があるから、クレープのあとにタピオカとサーティワンを好きなだけ買って食べられちゃうんだ。うらやましいでしょ。
それに、君たちぐらいの頃は、自分のせいで止まる大縄跳びと最後の1人になって逃げ回るドッジボールが怖くて、体育の授業がある日は大嫌いだったけど、大人になったら、ゲーセンのバスケでヘンテコな投げ方をしてひどいスコアを叩き出しても、あゆみに「もうすこし」と○を付けられないし、「変なの〜」って笑っちゃうから、体を動かすのが楽しくなったよ。
まあまあ、始業式も近いけど、適当にやって早く大人になるといいよ。夏休みがあっという間だったように子ども時代もあっという間だから。ちなみに宿題は早くやった方がいい。大人はそんなことを思いながら、明日のアラームをセットしてシーツの冷たいところを探して寝るよ。