靴箱の上のチューリップが少し開いた月曜日、シャウエンがハンガーラックの上から自力で降りられるようになった。成長の早さと、降りられるようになった途端、登らなくなる心理に戸惑う。
網戸は自力で降りられるようになっても登り続けるシャウエン。網戸に容赦なく爪をかける前に一度、「オ? アァ? ウァァ?」と鳴くのはなぜ? 入魂のまじない? 自問自答? かわいいね。
脳内で中島みゆきの「時代」を再生すれば、どんなイタズラも「あんな時代」の一つに見えて、「いつか笑って話せるうわああああ(号泣)」と許してしまうけれど、ケガをさせたくない。
荒ぶる若猫期の猫を落ち着かせるため、仕事の間に間にベランダを歩かせてあげた。ギンガムチェックのハーネスを付けたシャウエンはアルパカにとても似ている。白くて、モフモフで、首が長い。
ビオトープの水を飲もうとするシャウエンの後頭部に、何度も「アルパカちゃん、ダメよ」と声をかけた。引っ越してきたばかりの隣人がわが家のベランダから草食動物の気配を感じていないことを願う。
夜、録画していた志村けんの特番を見ながら忘れかけていたおはぎを食べた。少し酸っぱかった。静かなる壮年期の人間は胃薬を飲んで寝る。