こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

定価

発情期が落ち着いたシャウエンといつまでも眠った日曜日。同居人に「いい加減に起きろ、バカボケ」と怒られ、だけれど外は雨が降りそうで、起きる意味がないからグズグズした。

洗濯物をまわして干して、ごはんを作って食べるために起きて、気付けば夕方。申し訳程度に近所のスーパーに行ってみたけれど、充実の証になるものは見つけられなくて、半額の鯵のたたきを買って帰った。

部屋の電気を付けるついでにお風呂を沸かして湯船に浸かった。YouTubeで「イギリス、アンティークな暮らし。」という動画を見たら、仏花が豊富な近所のスーパーに腹が立ってきたけれど、お風呂上がりの梅酒サワーと鯵のたたきが最高だったから許した。

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日本のアパート、同居人とシャウエンと私で、半額の鯵のたたきな暮らし。好き嫌い、良い悪いではないのよね。長い付き合いで、馴染んでいて、昨日、今日、明日があって、何かあったりなかったりして。それだけだから、飽き飽きするし、大切よ。

シャウエンでございます

あーどうしよう、かわいいな。かわいすぎて見せるか迷うな。まあいいか、このかわいさは言葉で伝えらないから見てもらうしかないか。……ん? いやあちょっと、見てもらいたい写真があって。

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ありがとう、そうなの、かわいいの。晴れていたから、そう、シャウエンを抱っこして、近所の花と一緒に。フフ、どうもありがとう。私はもう満足したから、あとは好きに写真を見返してもらえれば。うん、じゃあ日記を始めるね〜。

何事もなかったはずの金曜日は、広島が生んだ快男児にめでたいことがあり、「マジでめでてぇ……」と天井を見つめていたら即寝。久しぶりに寝過ぎて眠い土曜日は、シャウエンのあふれるいとおしさで目が覚めた。

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夜は焼肉。希少部位の皿を頼んだところで、何が何だかわからないで食べているから世話がない。帰宅後、「北の国から」を見て忍び泣き、シャウエンの背中で涙と鼻水を拭こうかと思ったけれどやめた。忙しかった。

夜に駆けないで

ケンタッキーのメニューを見ていたら、同居人がポテトの写真を指差し「5って何?」と聞いてきた。意味がわからず「何のこと?」と聞き返すと、「本数?」とトンチンカンなことを言う。

写真のポテトの本数はぱっと見、5本以上はある。同居人が「ほらこれ」とポテトの写真をもう一度指差す。あ、わかった。サイズのSを5と見間違えている。というようなことがあり、楽しくケンタッキーを食べた木曜日。

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食後はテレビに出ているYOASOBIを見て「どうしてもヨシゾウに見える」と言っていた。これはよくわからなかったから適当にあしらって、届いたばかりのファーミネーターでシャウエンをブラッシングした。毛が驚くほど取れた。

ここ数日、元気で何よりなシャウエンに朝早くから夜遅くまで付き合わされ、体が悲鳴をあげているから、疲れて寝かせるために猫じゃらしをとことん振り上げる作戦に出た。結果、シャウエンは猫じゃらしを置いた今も大興奮で走り回っている。なるほど、これが「夜に駆ける」か。

 

○おまけ

シャウエンに落書きした。

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星一つ

特に何もなく終えた火曜日を経て、鵠沼海岸にたどり着いた水曜日。黄砂と花粉に埋もれた車を洗っていたら出発時間が遅くなってしまったけれど、人が見たり入ったりしている海を見られて安心した。

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私は今シャウエンに恋をしているから、砂を蹴って走る犬を見れば「あの子は今何してるかな」と、トンビを間近で見れば「あの子が見たら驚くかな」と考える。きっとこれから先何十年と、何を見ても考える。やだ何、泣いちゃう。

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朝から何も食べていなかったから、落陽を見届けることなく、評価に「ライスと味噌汁のおかわりが自由でお腹がいっぱいになりました」という理由で一人から星一つを付けられている店へ向かった。味もボリュームも大満足で、「星一つ」に対する解釈の幅が広がった。

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シャウエンへのお土産は、波打ち際で拾った貝殻2枚。同居人が「汚いよ、みんなここでバーベキューやってそのままポイポイ捨てたやつだよ、やめな」と、ボケかマジかわからないことを言っていた貝殻2枚。喜ばれなかった。

若猫期

靴箱の上のチューリップが少し開いた月曜日、シャウエンがハンガーラックの上から自力で降りられるようになった。成長の早さと、降りられるようになった途端、登らなくなる心理に戸惑う。

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網戸は自力で降りられるようになっても登り続けるシャウエン。網戸に容赦なく爪をかける前に一度、「オ? アァ? ウァァ?」と鳴くのはなぜ? 入魂のまじない? 自問自答? かわいいね。

脳内で中島みゆきの「時代」を再生すれば、どんなイタズラも「あんな時代」の一つに見えて、「いつか笑って話せるうわああああ(号泣)」と許してしまうけれど、ケガをさせたくない。

荒ぶる若猫期の猫を落ち着かせるため、仕事の間に間にベランダを歩かせてあげた。ギンガムチェックのハーネスを付けたシャウエンはアルパカにとても似ている。白くて、モフモフで、首が長い。

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ビオトープの水を飲もうとするシャウエンの後頭部に、何度も「アルパカちゃん、ダメよ」と声をかけた。引っ越してきたばかりの隣人がわが家のベランダから草食動物の気配を感じていないことを願う。

夜、録画していた志村けんの特番を見ながら忘れかけていたおはぎを食べた。少し酸っぱかった。静かなる壮年期の人間は胃薬を飲んで寝る。

トライアンドエラー

ハンガーラックの上に登れるようになったが自力で降りることはまだできない猫・シャウエンを降ろしてあげる物語が始まった。「ウッ……アッ……」と助けを求めるくせに、降ろすときに必死の抵抗を見せるのはやめてほしい。

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コテコテの猫になりつつあるシャウエンがわが家に来てちょうど1カ月の今日はコテコテの春の嵐。「ザ・ノンフィクション」の今回の主人公に外野で頭を抱えつつ、億劫な体のせいで出かけられない不満を布団にぶつけた。

日が暮れて、ぼんやりとすることに飽きたから、花瓶の水を替えてみたり、ドライフラワーを飾ってみたり、再生栽培の野菜を増やしてみたりした。不満は少し丸く収まったけれど、夜ごはんの味はぼんやりとしていた。

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よし、今日はもう諦めよう。ダメなものはダメだ。録画した志村けんの特番は明日の夜に見よう。おはぎは明日の朝ごはん用に取っておこう。シャウエンを降ろしてあげたら、寝よう!

ミス・ブランニュー・デイ

コンビニへ発泡酒を買いに行って帰ってくる間に春を感じた金曜日。台所でキャベツを刻みながら、泣き言のような、懺悔のような、自伝のような、「どうしてあの時、私は……」傑作選をシャウエンに聞かせた。

うんこに砂をかける音が相づちとなり、流していた「ミス・ブランニュー・デイ」につられて歌い、お好み焼きをひっくり返すことに集中したらどうでもよくなって、お腹を満たしてひっくり返ったらさらにどうでもよくなった。

昼過ぎまで頭痛でもだえた土曜日。くわえて持ち去ることを覚えたシャウエンの尻を追いかけまわし、遅めの昼ごはんにお好み焼きの残りと素のトーストを食べた後、見納めが迫る桜を見るために無理くり外に出た。

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16歳のときに面接で「その髪、化粧、ピアス、服装はTPOをわきまえてる?」とすごく怒られた工場と、25歳のときに派遣の単発バイトで新規オープン前に行って、棚に商品を並べただけですごく褒められたセブンイレブンの前を通って川沿いの桜並木へ。

アクション俳優のように土手を派手に転がる子どもと、その様子をノーリアクションで見守る大人の向こうに、さっき道を教えた人が違う人に道を教わって、私が教えた道とは違う道を歩いて行く姿が見えた。そっちから行く方が近そうで、すごく申し訳なかった。

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生き生きとした桜を見て元気は出たけれど、母方のおばあちゃんが作った野菜を買う勇気は出ず、スーパーでトマトを買って帰宅。夜は献立に困ったときによく作る和風パスタを作って食べた。特に何もしていないのに、気付いたら4時半。不思議。