こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

いい子のいい日

友人宅で少し早めのクリスマスパーティー。持ち寄った子どもビールを冷蔵庫に、リボン付きの箱を寝室に置かせてもらって、クラムチャウダーが出来上がるまでの間、子どもと一緒に『ミュウツーの逆襲』を見た。

友人いわく今日の子どもは「調子に乗ってる」そうで、脱がなくてもいい服を脱いだり、今出さなくていいものを出したりして怒られていた。だけど、「やっておいて」と頼まれたクリスマスツリーの飾りつけは真剣に取り組み、私がオーナメントを適当に付けると「そこじゃない」とやり直した。

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ツリーが完成し、サトシが倒れ込むと、子どもは再びテレビにかじりついた。私がほんの出来心で「そういえばこの前サンタさんに会っ……いや、何でもない、今のは忘れて!」「あーまずい、誰にも言わないでね」と大げさに慌ててみせると、子どもはすぐに「サンタさんに会ったんだって!」と友人にチクった。

大事になり、私は子どもから「何で?」「日本にいるの?」「どこからお家に入るのかな?」と詰められた。「えっと、仕事で……今年はコロナで早めに来日してて……最近はエントツがないから業者を……」と必死に回答すると、サトシが意識と子どもの興味を取り戻した。

「メリクリ!」と乾杯をして、あつあつのクラムチャウダーとコタツで体をあたためた。友人が皿におかずを取り分けながら「今年はいい子にしてた?」と聞くと、子どもは「してない」とうなだれ、子どもビールを飲み干した。

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3人で「じゃあサンタさんこないかもねえ」としょんぼりしていると、インターフォンが鳴った。頼んでおいた寿司が届いたようだ。玄関に出ると、着せられた感満載のサンタクロース風コスプレの宅配のお兄ちゃんが立っていた。

ちょうどいいと思い、リビングの方に向かって「ねえ、サンタさんだよ!」と呼びかけた。走ってきた子どもとお兄ちゃんが軽く会釈をしている間、寝室にこっそり行って、「そういえばこれ、外に置いてあったんだけど……」とリボン付きの箱を出してみせた。

私が「もしかして……⁉︎」と顔を作り手渡すと、子どもは箱を抱えて「えー‼︎‼︎」とボールのように弾み、ソファに着地した。友人が「よかったねえ。ほら、ありがとうってちゃんと言って」とすすめると、子どものマンキンの「ありがと‼︎‼︎」が私を目掛けて放たれた。

私が「いやあ、サンタさんにね」と狼狽、友人が「……そう! 頼んでくれたから」とあらためている間、子どもは「はぁ、うれしい」と箱の中身と見つめ合っていた。サンタクロースはひとまず安心して、寿司とビールを流し込んだ。

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子どもが「オケツ」で何周も笑い転がり、友人が「うう、アグネスかわいい……」と何度も鼻をすすった『怪盗グルーのミニオン危機一発』の上映後、箱の中に入っていた「スーパーマリオパーティ」で遊んだ。お腹いっぱいで、とっても眠たくて、だけど今日は少し早めのクリスマスだから、調子に乗ってもいい日だから、みんなで疲れるまで。

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子どもが静かな寝息を立てる中、2人で残りものをつまみながら世間話をして、箱を入れていた紙袋に「うちで食べないから」という食料品をたくさん入れてもらってお邪魔しました。よかった。今年もみんないい子だった。