こんなもんです

中卒女が今さらなことに驚いたり学んだりする日々をだらだらと記録しています。唐突に気持ち悪い話や思い出話をします。

ひまつぶし

今週のあたま、「そろそろおばあちゃん家に行こうかな」と考えているところに、おばあちゃんから「ひまでやんなっちゃう」という電話があった。

最近仕事を週2日に減らしたおばあちゃんの「ひまでやんなっちゃう」は、コロナでどこにも出かけられず、家に片付けられるものがこれ以上何もない、あっても大掛かりでやる気が出ないという、かなり深刻なものだった。

心配になった私が「それなら家でおいしいものでも食べながら、軽くお酒でも飲もうよ。何か食べたいもよはある?」と聞くと、おばあちゃんは待ってましたとばかりに、どこそこのいくらのあれが食べたいと食い気味に答えた。


おばあちゃんが「ああ〜楽しみ!」と電話を切ってから5日後の今日。どこそこのいくらのあれを抱えてインターホンを鳴らすと、珍しくファンデーションを塗ったおばあちゃんが「やぁやぁ」と出迎えた。

寝巻きのような服装で来てしまったことを申し訳なく思いながら、おばあちゃんが今日のために用意したワインで乾杯した。部屋は片付けられるものがこれ以上何もないほど片付いていた。

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おばあちゃんはよくしゃべったり、「あっ」と何かを思い出しては何かを私にくれたり、よくしゃべったりした。

私はよくうなずいたり、遺影の相談をされて困ったり、おばあちゃんが運べない家具を代わりに運んだりした。

寝巻きのような服装に似合うのんびりとした時間が、ゆったりと流れた。30分に一度は「何か一芸でも披露したほうがいいのだろうか」と不安になったが、おばあちゃんの楽しそうな顔を見て思いとどまった。


近々、この前近所で見つけたカフェに二人で行く約束をした。コロナが落ち着いたら、二人で旅行に行く約束をした。おばあちゃんがひまでやんなっちゃう前に、また家に行くと約束した。